ハーヴィーメイス Harvey Mace アーティストインタビュー
フェザー(羽根)をモチーフにしたインディアンジュエリーで瞬く間に有名になったハーヴィーメイス。ネイティブアメリカンにとって神聖な意味を持つ聖なるイーグルフェザーのジュエリーは、どんなファッションにも合わせやすく、男女問わず大変な人気です。ハーヴィーの工房にお邪魔して、その誕生秘話など貴重なお話を伺いました。

Interview with Navajo artist Harvey Mace


ハーヴィーメイス
――ハーヴィーメイス(以下、ハーヴィー)がシルバースミスになったきっかけは何ですか?
ハーヴィー:
始めたのは・・・1972年、16歳の時だったかな。最初は兄であるTedに習って始めたんだ。一番初めに、一番難しいロウ付けの技術から教わったんだ(笑)。そこから色々なトレーディングポストに商品を作るようになった。

最初、1970年代は特に石ものがとても流行っていたし石が安かったから、今のフェザーではなくて石ものやスタンプワークを作って売ってたよ。

――いつからフェザーのデザインを作るようになったのでしょう?
ハーヴィー:
正確には覚えてないけど、1980年代に入ってからかな。リーフのモチーフが人気で、それをたくさん作っていたからそこからフェザーのデザインを思いついたんだ。リーフとフェザー、同じように見えて作り方が実は少し違うんだよ。それは企業秘密(笑)。

ハーヴィー:
僕はその頃アート(絵を描く方の)もやっていて、それで鉛筆でフェザーやイーグルの絵を描いていて、それをそのまま小さくしてシルバーワークにしたのが始まりかな。
――なるほど、アートを。だから色々なデザインが作り出せるんですね。
ハーヴィー:
絵を描いてそれを作品にしようとすると、その絵のままのカーブと質感をシルバーに描き出さなければいけないから、僕はまずその作品ごとに合うスタンプを作ることから始めたんだ。

同じように見えても出来上がりの大きさが違うから、リング、ペンダント、ピアス、それぞれ違うカーブのスタンプを使っているんだよ。

――だから仕上がりの時に同じようにフェザーの質感を出せるわけですね。イーグルフェザーのモチーフを作る作家は数多くいるわけですが、「ハーヴィーにとってのイーグルフェザーの意味」についての考えを聞かせていただけますか?
ハーヴィー:
うーん、イーグルフェザーの意味というのはプロテクション(身を守るもの)とグッドラック(幸運)。ネイティブアメリカンのダンスで衣装にイーグルフェザーを使うけど、ダンス中にイーグルフェザーが落ちてしまったら、ダンス全体がストップして、そのフェザーを浄化して着け直さないといけない。それぐらいイーグルフェザーというものはネイティブアメリカンにとってパワフルな意味を持っているんだよ。

僕の作品には、必ずイーグルフェザーの「テール」がついているんだ。

――羽根の上のぐるぐるのワイヤー部分のことですね??
ハーヴィー:
そう僕はこのテールがついていると、「Alive(生きている)」、ついていなければ「Dead(死んでいる)」と解釈している。だからこのテール部分をつけるときにフェザーに命が吹き込まれてそこにお守りや幸運をもたらす力が付けられると考えてるんだ。だからワイヤーを一番最後に巻くんだよ。
――なるほど、すごく興味深い話です。ハーヴィーは他のアーティストの比較とか何か他に考えてることはありますか?
ハーヴィー:
ゴールドフィルドを使ったコンビネーションの作品は他の人と違うところかな。
――確かに、コンビの色味はとても人気ですもんね。

そしてここから、このテーブルから、ハーヴィー一人の手からこの作品がすべて作り出されているというのがとても感慨深いですね。たくさんオーダーを受けて市場に出ると、作家による「ハンドメイド」というところがあいまいになりがちですからね。

ハーヴィー:
そうだね。オーダーをたくさん受けて値段を落とさないで作るには効率化しなきゃいけないけど、質を落とさないためには細かいところに気を配らなければいけない。
――なるほど。
ハーヴィー:
フェザーのデザインはたくさんの人がコピーして作っているけど、その細かいこだわりがない作品はやっぱり魅力的じゃないと思うよ。

――確かに、そういったこだわりがあるから長い間人気でいられるんですね。
ハーヴィー:
もうでも僕も歳だから、娘と息子たちに技術を教えてるんだ。
――そうなんですね、とても楽しみです。私も今後に向けて色々新しいアイディアがわきました。ありがとうございました。


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